不動産特定共同事業法(不特法)についてお話します。
不動産特定事業法は、出資を募って不動産を売買・賃貸し、その収益を分配する事業を行う事業者について、許可等の制度を実施し、業務の適正な運営の確保と投資家の保護を図ることを目的として、平成6年に制定されました。
事業者が自分のバランスシートで行う不動産事業に投資家が参加するための仕組みを、不特法上は、第一号事業と定義しています。
図表1では、匿名組合型の不動産特定共同事業(第一号事業)を念頭に外部負債を借入れ、投資家(事業参加者)から出資を受け入れるスキームです。
投資家保護のために、図表1で第1号事業者は、国土交通大臣等の許可を取得する必要があります。この不動産特定共同事業との関係では、第一号事業に係る不動産特定事業契約の締結の代理・媒介を行う行為を第二号事業と定義し、これも独立した許可の対象になっています。第二事業を行う者を第2号事業者と呼びます。
図表1
平成25年法改正により、倒産隔離型スキーム(特例事業)が導入されました。
図表2の倒産隔離型スキームは、SPCである特例事業者が事業主体となるスキームです。SPCは、他の事業を行うことを目的にしていませんので、投資家は他の事業による倒産リスクを回避できることになります。
特例事業における資金調達の方法は、事業参加者からの出資とノンリコースローンです。金融機関から借入れは、第一号事業では事業金融とならざるを得ませんが、SPCを使うことのできる特例事業では、ノンリコースローンの形態での融資が可能となります。
図表2の特例事業者は、届出が必要です(許可は不要です)。特例事業者から業務の委託を受ける第3号事業者はアセット・マネージャーのような位置づけにあり、不特法上の許可(宅建業者であることが前提)が必要です。
また、特例事業では、SPCが投資家募集を直接行うことは想定されておらず、販売会社の位置づけとなる第4号事業者が別途規定された不特法上の許可(宅建業者であり、金商法上の第二種金融商品取引業者であることが前提)が必要とされています。
図表2
不特法は、投資家保護を目的としており、その許可を取得するには、色々な必要とする要件をクリアーしなければなりません。
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